6 まちづくり




1.門真市と守口市の位置と沿革

 門真市は大阪府の北東部、淀川左岸、北河内地域で、大阪平野の中心部に位置し、北東には寝屋川市、南東は大東市、西北は守口市、西南を大阪市が隣接しています。大阪市都心部からより約10km、京都市都心部から約30kmの距離にあり、大阪都心部へ約15〜20分で入ることができる大変利便性の高い町です。
 1956(昭和31)年9月30日町村合併促進法により、当時の大和田村、四宮村、二島村の三村を編入合併して新しい門真町が編成され、合併後は、人口が年々増加し、1963(昭和38)年8月1日に66,582人をもって市制施行されました。1965(昭和40)年の国勢調査では、過去5年間の人口増加率が180%という全国第1位の増加率を示しました1975(昭和50)年頃をピークに人口は減少・横ばい傾向が続いていますが、2002(平成14)年4月現在135,648人のまちに大きく成長しました。
 隣接する守口市は門真市より市制施行が早く、戦後まもない1946(昭和21)年11月1日に守口・三郷両町が合併、市制施行し、1957(昭和32)年4月1日に隣接する庭窪町を編入合併後、現在のまちの形になりました。人口は、1971(昭和46)年のピーク時には約18万8,000人を数え、2002(平成14)年4月1日現在152,253人となっています。

2.土地利用状況

 門真市の市域は、東西約4.9km、南北約4.3km、総面積12.28k・でほぼ正方形に広がり、全域が平坦な地形となっています。市域の中央部を東西に横断する国道163号を境として北部地域と南部地域では土地利用に大きな違いが見られます。人口推移についても、両地域で大きく異なっています。
 北部地域は、京阪電鉄の徒歩圏に位置することから、木造賃貸住宅等が無秩序に集積する住宅地が全体的に広がっています。京阪電鉄の各駅周辺は、商業、業務施設等が集積し、商業・業務・住宅混合地としての利用が進んでいます。また、地域には製造関連の大規模工場が立地し、一部は高層マンションの建設などにより住宅地へと転換されましたが、現在も広範囲にわたり工場地として利用されています。南部地域は、旧集落や公共住宅団地を中心として住宅地が広がっていますが、現在も地域に点在する農用地等が小規模宅地として住宅に転換されています。また大阪中央環状線や国道163号沿道は、主に工場、倉庫などの工業・流通業務地として利用されていますが、一部は住工混在地域がみられます。この地域はまだ多くの農地や休閑地が存在し、市街化調整区域42ha(市域の3.4%)もあります。
 門真市と守口市における用途地域別の面積と比率を図表に示します。門真市では準工業地域のしめる割合がもっとも多く、432haで市の36.4%を占めています。次に第2種中高層住宅専用地域が多く326haで市の27.5%を占めています。
 守口市の総面積面積は12.73k・、「く」の字を逆にした形で、門真市の北側と西側を包むように隣接しています。守口市における用途地域でもっとも大きな割合を占めるのは、第1種住宅地域346haで市の29.4%となっています。次に準工業地域が多く290haで市の24.6%を占めています。
 門真市と守口市の2000年度農業耕地面積について、門真市は73ha、守口市は20haとなっています。

3.交通基盤

 門真市民の公共交通は、門真市の北部を東西に走る京阪電鉄とこれを中心に市内を縦横する路線バス、大阪市から門真市南部入ってくる大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線、市北部から南に入ってくる大阪モノレールがあります。1910(明治43)年京阪電鉄が開通し、門真市内には守口市との境界にある西三荘駅、門真市駅、古川橋駅、大和田駅、寝屋川市との境界にある萱島駅の5駅です。準急電車が停車する駅は萱島駅のみです。京阪電鉄は門真市民の大切な公共交通機関であり、昔からこの沿線や駅周辺を中心に市街地が形成されていきました。路線バスは、主に京阪バスが市民の足となっており、その他近鉄バスと大阪市営バスがあります。大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線の終着駅である門真南駅が1997(平成9)年8月に開設され、駅の場所は市の南西の端部にあります。また大阪モノレールの終着駅である門真市駅も1997年8月に開設されました。門真市駅は、京阪電鉄門真市駅に隣接しています。このように、鉄道は市域の北部と南西端にあり、鉄道駅がない南部地域をバスがカバーする形になっています。鉄道駅のない南部地域にはバスが運行されていますが、道路が狭くバス路線が確保できない地域があります。また、バスの時刻表を気にせずにバスに乗れるという状況ではないこと、鉄道駅まで約2km程度という距離のため、自転車を利用する市民が多いとのことです。
 一方、守口市には京阪電鉄と大阪市営地下鉄谷町線、大阪モノレールと路線バスがあります。京阪電鉄の駅は、滝井駅、土居駅、守口市駅、門真市との境界にある西三荘駅の4駅です。守口市駅には急行や準急電車が停車します。大阪市営地下鉄谷町線の駅は、太子橋今市駅、守口駅、そして谷町線の始発駅となる大日駅の3駅があります。この大日駅に隣接して大阪モノレール大日駅があります。守口市内を走るバスは主に京阪バスが運行されています。もっとも多く利用されるバス路線は京阪守口市駅を発着するバス路線で、京阪バスによる調査で京阪守口市駅における最近の1日平均の乗車人員は1,729人、降車は1,368人と発表されています。守口市北部の住民の方が京阪電鉄を利用する場合は、自転車を利用し、門真市にある門真市駅や古川橋駅、大和田駅を利用されるとのことです。他にも関西国際空港行きのバスが、京阪バス単独と共同運行のバスが京阪守口市駅から発着しています。

4.道路整備状況

 門真市と守口市の道路の総数と種類別路線数・延長・面積、両市市道の幅員別延長・面積を図表6-3〜6-6に示します。門真市と守口市の道路の総数では、総路線数、延長、面積とも守口市の方が多くなっています。種類別路線数・延長・面積を見てみると、国道では守口市の方が1路線多くなっていますが、延長では2倍近く、面積では1.5倍ほど広くなっています。門真市は府道については、守口市より路線数が2路線少ないですが、面積は守口市の2倍ほどになっています。
 両市市道の幅員別延長・面積を見てみると、門真市では5.5m未満の道路が市道全体の74%を占めています。一方守口市では、6.5m未満の道路が市道全体の66%となっており、門真市の方が、守口市より道幅の狭い道路が多くなっていることがわかります。
 門真市において都市計画道路が最初に都市計画決定されたのは、1959(昭和34)年3月です。市の東西を国道163号、府道深野南方大阪線が横断し、南北を近畿自動車道、大阪中央環状線、府道八尾茨木線、府道八尾枚方線が縦断しており、幹線道路網はほぼ格子状に通っています。門真市の都市計画道路は1997(平成9)年時点での都市計画道路の計画整備率の進捗状況調査によると、28路線、総延長47,600mが計画決定されています。このうち14,060mが整備済となっており、整備率は約30%です。門真市の都市計画道路は、ほぼ現状の幹線道路網に対応して、格子状に計画決定されていますが、第二京阪道路は市域の中央を斜めに横切る形で計画決定されています。
 守口市の主要道路は、東西線として国道1号、南北線として国道163号、国道479号(大阪内環状線)、府道大阪中央環状線があります。守口市の道路の総面積は市域の13%を占めています。守口市では、近年の道路事情を解決すべく、1971(昭和46)年10月4日に阪神高速道路公団が大阪府道路高速大阪守口線(延長5.6Km北城〜守口間)を寝屋川バイパスに接続して開通しました。
 

5.都市整備

(1)住環境の整備

 門真市は、昭和30年代後半から高度経済成長期に京阪電鉄各駅、駅勢圏を中心に大量の木造賃貸住宅が基盤未整備のまま密集住宅市街地を形成しました。1998(平成10)年度の門真市・守口市両市の住宅の状況は、門真市の総住宅数52,800戸に対し木造賃貸住宅が9,138戸で、門真市の住宅の17.3%を占めています。守口市の総住宅数59、348戸に対し木造賃貸住宅が11、548戸で、守口市の住宅の19.5%を占めています。現在それらの住宅の老朽化が激しく、整備が進められています。密集住宅市街地は居住環境上、防災上の問題を抱えており、特に木造賃貸住宅が密集している地区において、生活道路の拡幅、地区内公園の整備及び共同住宅経営者への建替え助成を行うのが、密集住宅市街地整備促進事業です。
 門真市では北部地区住環境整備があげられます。これは1984(昭和59)年11月12日に国道163号以北の461haを対象に「密集住宅市街地整備促進事業」の地区指定を建設大臣より承認を受けたことにより、1987(昭和62)年度より民間の協力を得ながら、朝日町地区において基盤整備と4棟136戸の建替と13件の建替促進事業を完了させました。また、全国初の合併施行として「密集住宅市街地整備促進事業」と「街区高度利用土地区画整理事業」が1994(平成6)年度より末広南地区面積約0.9haで着手され、1996(平成8)年度より石原東・幸福北地区面積約0.8haの区域で、これも全国初の事業として「密集住宅市街地整備促進事業」と「安全市街地形成区画整理事業」との合併施行に着手しています。そのほかにも、木造市営住宅の建替事業として、寿市営住宅建替事業が1980(昭和60)年度と1994・1995(平成6・7)年の二期にわたり着手されました。また、本町市営住宅建替事業が第1期として1999・2000(平成11・12)年度継続事業として行われ、第二期分と2001(平成13)年度から着手されています。
 守口市の「密集住宅市街地整備事業」は、大日・八雲東町地区において2000(平成12)年1月6日に地区指定、整備計画が建設大臣により承認されました。実施予定面積は、69.8haです。2000(平成12)年2月17日この地区の地権者を対象に木賃住宅建替え相談会が大阪府都市整備センターにより開催されました。特に大日は、地下鉄大日駅前整備事業が1994(平成6)年に計画決定されています。また、大阪モノレールと地下鉄谷町線大日駅の接合地点であり、守口市の都市計画マスタープランにおいても駅周辺地域を「大日都市核」として位置付けられており、副都心構想もあり、高層マンションや業務施設等の計画がされているとのことです。

(2)土地区画整理事業

 土地区画整理事業については、1997(平成9)年3月現在合計10地区、面積131.63haで実施されており、うち6地区が完了しています。この中でも現在行われている事業として、門真南駅前土地区画整理事業があります。この事業は、1995(平成7)年度に組合設立認可を受け、1998(平成10)年度に仮換地指定、2004(平成16)年度の完成を予定しています。施行地区面積6.5ha、事業費44億700万円で、主な公共施設整備計画として、都市計画道路、区画街路、公園・緑地、調整池、交通広場の建設が予定されています。これに加えて、1999(平成11)年7月に萱島駅南土地区画整理事業1.3haが組合施行として認可を受け、2003(平成15)年度の完成に向けて事業中です。総事業費4億3000万円で、主な公共施設内容は、区画街路2路線幅員6m延長418m、水路3路線幅員1m〜2m延長43m、公園・緑地1ヵ所面積777・、調整池1ヵ所となっています。
 一方、守口市では、現在の「守口市」になってからの行われたものは、1968(昭和43)年3月完了の守口市営南寺方区画整理事業の1地区のみです。

(3)再開発事業

 門真市では、1975(昭和50)年以降、再開発事業は行われていません。守口市では、守口市駅前再開発事業があります。この事業は、1977(昭和52)年2月に都市計画決定し、1982(昭和57)年に事業決定し、1985(昭和60)年10月に事業完了しています。施行区域面積は3.6haでした。守口市駅再開発事業のよって完成された街が「トークティ守口」です。ここには百貨店、専門店、ホテル、銀行などの商業施設のほか、体育館、文化ホール等の公共施設が配置されています。

6.住宅・住宅施策

 門真市にある公的住宅の状況を図表6-7に示します。門真市には市営住宅、大阪府営住宅、大阪府住宅供給公社、都市基盤整備公団(旧住宅・都市整備公団)の公的住宅が存在します。2001(平成13)年4月1日現在の公営住宅の総計は5,285戸となっています。門真市営の住宅は472戸で、公営住宅率は0.8%です。大阪府営住宅の戸数がもっとも多く4,121戸となっています。守口市における2001(平成13)年3月31日現在の公営住宅の総数は3,288戸、市営住宅779戸、府営住宅1,687戸、大阪府住宅供給公社66戸、都市基盤整備公団696戸となっています。
 門真市に人を呼び寄せ、定住を促進するには、公営住宅の他にも施策が必要です。例えば大阪市では新婚世帯を呼び寄せるために新婚住宅補助制度を設けています。市営住宅の応募に関しても、親世帯との近居を希望する応募者のために特別枠や、新婚世帯のための特別枠を設けたりしています。門真市にはそのような補助や特別枠はないようです。守口市も同様、住宅補助の制度はないようです。

7.公園緑地の整備状況

 門真市の都市計画公園は、2001(平成13)年4月1日現在13ヵ所70,188・となっています。その他の都市公園が31ヵ所39,601・、これらを合わせた都市計画公園は、44ヵ所109,789・となります。都市計画公園の他に、児童遊園87ヵ所28,304・、ちびっこ公園7ヵ所736・です。未開設公園が4ヵ所8,206・があり、未開設公園を除く門真市の公園の総計は138ヵ所138,829・、未開設公園を含むと142ヵ所147,035・となります。ここで、都市計画公園の種類とその内容を図表6-8、6-9に示します。
 門真市の公園は街区公園と近隣公園を主にして構成され、全て住区基幹公園であり、大きな公園が存在しません。市民一人当たりの公園面積は0.8・とかなり少ない状況です。2000(平成12)年11月に「子どもを守る市民の会」がヤングママ100名に対しアンケート調査を実施しました。その中で公園をもっと使いやすく、安全なものにして欲しいとの要望が多数聞かれ、独自で公園アンケートを実施し、門真市都市公園マップを作成しました。アンケートでは設備に対する要望が多いようですが、公園は市街化された町にとって貴重な緑を確保できるスペースです。公園の広さだけでなく内容の充実も望まれます。
 守口市の公園は、都市計画公園では地区公園、街区公園、近隣公園の合計が52ヶ所204,550・で、これに未開設公園3ヵ所7,900・があります。守口市の発表では、児童遊園を含むと164ヵ所の公園があるとのことです。そして、守口市民一人当たりの公園面積は1.3・となっています。これとは別に守口市には淀川河川公園や大阪市の鶴見緑地公園が存在します。これらの公園を含むと、市民一人当たりの公園面積も大きくなっています。
 門真市と守口市の公園を比較すると、門真市は守口市より小規模な公園で構成されており、守口市より公園緑地面積がかなり少ないといえます。

8.公共施設・教育施設

 ここでは、小・中・高校以外の公共施設・教育施設について述べていきます。
 2000(平成12)年度における門真市の文化施設は、市民会館等が4館、公民館2館、図書館2館、体育館1館、野球場が2球場です。プールや陸上競技場はありません。守口市については、市民会館等が3館、公民館が11館、体育館12館、プール12ヵ所(うち市営以外が7ヵ所)陸上競技場1ヵ所、野球場9球場です。また守口市には児童館が1館、科学博物館1館、勤労青少年ホームが1館あります。
 以上のように門真市では、プールや陸上競技場がなく、野球場も守口市に比べるとはるかに少なくなっています。公民館の数も守口市の約5分の1です。門真市の地域住民団体からは、活動場所の不足を指摘する意見が上がっていました。門真市の市民が利用できる公共施設・教育施設の不足は、設置数だけでなく、市民の意見として明らかになっています。

9.上 水 道

 門真市の水道事業は、1965(昭和40)年茨田上水道組合の発展的解散とともに、門真市水道事業署として発足、1971(昭和46)年4月1日水道行政の一層の充実を図るため、水道局へと機構を改革し、現在に至っています。受水は99.96%が大阪府営水道に、残りの0.04%が大阪市営水道に依存しています。施設としては、浄水場が1ヵ所、配水場が1ヵ所となっており、2001(平成13)年度当初給水総戸数は57,953戸で普及率は100%です。水道料金は、10・当たり1,133円となっています。
 守口市は、1925(大正14)年に大阪市から受水が始まりました。その後1934(昭和9)年から浄水場を建設し、1937(昭和12)年から町営水道になりました。現在、59.4%が自己水、残りの40.6%を大阪府から受水しています。水道料金は、10・当たり936円となっています。

10.下 水 道

 門真市の下水道は、関係9市で構成されている寝屋川北部流域下水道関連の公共下水道で1967(昭和42)年度に市域北西部の浸水対策として事業認可を受け、1969(昭和44)年から下水道事業を開始しました。その後も他の地域において整備を進め、1975(昭和50)年度には市域全体の6排水区の事業認可を受け、国道163号以北および南部地域の整備を促進し、現在その他の未整備地区について整備中です。門真市は、100%流域下水道となっており、鴻池処理場で処理されています。全体計画の面積は1,217haで計画排水人口は18万人です。2000(平成12)年度末の整備状況は、排水面積771ha、排水人口100,860人、人口普及率は72.8%、面積普及率は54.1%、大阪府第23位となっています。門真市における下水道使用料は、20・当たり1,701円となっています。
 守口市は、1947(昭和22)年から下水道事業を開始しました。当初から守口市単独処理場で処理が行われていました。現在、48.1%が流域下水道で、51.9%が守口市単独処理場での処理となっています。守口市における下水道の人口普及率は99.8%、面積普及率は89.0%、大阪府第4位です。守口市は、戦後まもなく市制施行、下水道事業に着手したため、下水道整備が進んだと思われます。現在は管の入れ替えを行っているそうです。守口市における下水道使用料は、20・当たり1,640円となっています。

11.ごみ処理について

 門真市、守口市両市のごみ処理の状況を図表6-12に示します。2000(平成12)年度の年間のごみ収集量は、門真市が60,897t、守口市が61,006tとほぼ同じ量になっています。焼却能力についても両市ともほぼ同じ量になっています。
 門真市の焼却炉について、一番新しい5号炉は1996(平成8)年に稼動しはじめました。4号路は1989(平成元)年に稼動を始めています。守口市の焼却炉については、1974(昭和49)年度に竣工した3号炉と1969(昭和44)年度竣工の旧炉を1985(昭和60)〜1987(昭和62)年度継続事業として更新し、4号炉として稼動しています。しかし、守口市では2002(平成14)年12月より1炉で焼却処理することを市民に公表しています。
 門真市では、2002(平成14)年4月より90名体制でごみ収集にあたっています。車両は生ごみ20台と粗大ゴミ8台の計28台に予備車3台の体制です。現在8種分別が行われています。一方守口市では、6種類分別による回収が行われています。門真市では、環境センターにリサイクルプラザを建設し、市民に処理方法を公開しています。

12.門真市、守口市の生活圏

 『大阪府合併推進要綱資料集』に大阪府の市町村の日常生活行動調査を行った結果が発表されています。この調査結果では、「最もよく出かける場所」から「3番目に出かける場所」まで結果が示されていますが、ここでは「最もよく出かける場所」についてまとめました。
 門真市、守口市の両市民ともほとんどが自分の居住する市で行動し、次に門真市民は守口市へ、守口市民は門真市へ出かけています。しかし、映画や演劇を見に行く場合は両市市民とも半数が大阪市に出かけ、若干の人が自分の居住する市で行動します。また、病院に行く場合、風邪などの軽い病気をみてもらう場合は、両市とも自分の居住する市で診察してもらう人が多くなっていますが、専門的な検査や治療、入院する場合、門真市民は門真市内の病院より、大阪市や守口市の病院に出かける割合が高くなっています。一方守口市民は、半数の人が守口市内の病院で専門的な検査や治療、入院をしています。

13.まとめ 

 門真市と守口市のまちづくりを見てきましたが、両市とも同じ時期に市街化が急速に進み、人口増加しましたが、全体を通して、守口市は戦後まもなく市制施行し、整備を行ってきたこともあり、門真市より進んでいると言えます。生活圏について、両市は密接に関わっているようにも見られますが、もし、両市が市町村合併した場合、公共施設・教育施設の使用について、両市の住民全員が利用しやすくなるかは疑問です。一方の市の住民だけが有利になるようなものであってはいけません。量的なものを考えるだけでなく、施設の立地条件も考慮に入れ、市民にとって便利であるかどうかを考えなければなりません。



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