アフガン少年と34年後の再会を展示

門真・長島さん 大阪で写真展

   2011年12月10日付「朝日新聞」より

 

34年ぶりに再会したバフォビンさんの写真を指さす長島義明さん=大阪市北区東天満1丁目

 

 34年前、アフガニスタンで出会った少年との約束を果たしたい――。そんな思いで、大阪の写真家がこの夏、中東の地に久しぶりに赴いた。そこで撮った写真を、大阪・東天満で展示している。


 門真市下島町の長島義明さん(69)。主に海外で、その地に暮らす人々の表情をカメラに収めてきた。


 写真家になってまもない1977年秋、アフガニスタン・バーミヤン遺跡近くの村を訪れた。村民の結婚祝いに集まった子どもたちにカメラを向けると、はじけるような笑顔をみせた。「写真を持ってまた来るよ」。そう告げて離れた。


 ソ連軍による軍事介入、タリバーン政権樹立、米同時多発テロ……。幾度も少年たちを案じた。だが、アフガンは容易には行けない場所になっていた。


 東日本大震災の被災地から戻った今年5月、肺気腫を患った。「行けるうちに、あの約束を果たしたい」と渡航を決意。現地で尋ね歩き、少年の一人に再会した。名前は「バフォビン」。49歳のタリバーン兵になっていた。12人の子どもを育て、あの頃の少年と同世代の孫たちがいた。


 横顔には、幾重のしわが刻まれていた。この国の34年間の苦悩を表しているようだった。「外国人が介入したせいで戦争が長引いた」。そう語るバフォビンさんは、34年前の約束を覚えていなかったが、無邪気に笑う少年時代の写真を見せると、口元がゆるんだという。


「私たちと同じ営みがあった」

 「私たちにとっては非日常の世界だが、私たちと変わらない営み、日常があった」と長島さんは振り返る。


 写真展は、全身を包むブルカをまとった女性、墓参りに来た少女など、アフガンの“いま”を切り取った12点が並ぶ。北区東天満1丁目のカフェ&ギャラリー閑花(06・6353・8148)で15日まで。日曜定休。