第5回
400年前の地震の跡
宇治原 靖泰 (市史編さん課)

西三荘遺跡の液状化(噴砂)跡
(門真市教育委員会 所蔵)

 市内大字門真にある西三荘遺跡は市内で初めて縄文土器が発見されたことで注目されましたが、それ以上に関心を引いたものに伏見地震の跡と考えられる噴砂がありました。
 伏見地震は、今から400年まえの1596年(慶長元年)9月5日におこり、地震のエネルギーはM(マグニチュード)7・5以上といわれています。
 この地震では、秀吉自慢の伏見城が倒壊したのをはじめ、東寺・天龍寺・大覚寺・大坂城なども大きな被害を受け、被害は京阪神地域を中心に広い範囲に及びました。
 門真市域の被害の状況は記録がないのでわかりませんが、西三荘遺跡の噴砂は、最大幅12p、長さ3mの亀裂が何条も確認され、激しい液状化現象があったことを示しており、相当な被害があったと容易に想像できます。
 なお、西三荘遺跡の噴砂は、断面の一部をはぎ取って市立歴史資料館に保存しています。


松下電器産業の敷地内にあります


宇治原 靖泰さん プロフィール

1957(昭和32)年4月12日生まれ、滋賀県彦根市出身、奈良大学文学部史学科考古学専攻卒業、大阪府教育委員会、東大阪市文化財協会を経て、昭和60年より現職。(うじはら やすひろ)


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