合併トピックス

小さくても輝く自治体フォーラム

交付税35%滅を前提に 合併せず「自律」探る

2005年1月7日付「自治日報」より

 
 昨年秋、群馬県上野村に合併を選択せずに生き残り策を探ろうと、町村長ら関係者約450人が集まった。「小さくても輝く自治体フォーラ
ム」だ。一昨年、雪の積る長野県栄村からスタートした同フォーラムも4回目を迎える。

 講演で、黒沢丈夫上野村長が、「町村は人と人が団結・協力できる社会であり、これが国家の礎だ」と述べ、小さな町村の価値を強調。木佐茂男九州大学教授は、スイスなどで小規模な基礎自治体が今でも機能している背景を「効率的な人事組織と広域行政の活用にある」と指摘した。


 一万、パネル討論・事例報告では、町村長から、交付税35%削減でも生き残りが可能となるよう全職員参加による徹底した「全事
務事業の洗い直し」 (新潟県津南町)、役場は資材だけを提供し住民自らが村道や水路整備を施工する「資材提供事業」(長野県下條村)など徽底したリストラ策が紹介された。


 この「リストラ」だが、 第一回以降のフォーラムで
も、住民参加による「田直 し」 「道直し」で補助事業の五割程度で公共事業を実施(長野県栄村)、議員定数を半減・職員も将来は40人をめざす(福島県矢祭町)、助役を置かない条例 などで人件費削減(長野県泰阜村)など様々な取り組みが報告されている。
 

 保母武彦島根大学教授は 「縮み思考だけでばだめだ。 このまちをどうするのか攻めも必要」と述べた。併せて、今後、町村は合併した 町村と、合併せずに残る400程度の町村に二極化するとの見通しを示し、「小さいから輝く自治体」であることを実をもって示すよう求めた。
 

 国・地方の借金700兆円をみれば、交付税総額は今後も縮小が続く。「合併倒産」が続出することも懸念される中、交付税三割カットを前提に生き残り策に取り組んでいる小規模町村の姿勢は、合併するしない
にかかわらず参考となりうる。



 

合併トピックス どうなる、どうする合併新法=県知事「勧告」 2005年1月7日付「自治日報」より


合併トピックス 市町村合併の新法案概要判明 2004年1月13日付「読売新聞」夕刊より