道州制のあり方を審議している政府の諮問機関である第28次地方制度調査会(諸井虔会長)は2006年2月16日開いた専門小委員会で、道州が担う事務区分の概要を整理し、「道州制の導入が適当」とする答申案をまとめ、今月28日の総会で示す答申に盛り込むことを決めました。
現行の47都道府県を廃止して地域ブロック単位に再編する道州制の在り方に関する答申案を固めた。道州制への移行について、全国同時原則とした上で、希望する道州は構成する都道府県と国の協議を経て先行して移行することを容認します。
同委員会では、国、地方のあり方を再構築する手法として「道州制の導入は適当」とする答申案を大筋で了承。道州制は「地方分権を加速させ、効率的な政府を実現するための有効な方策」と位置付けることにしました。
役割分担見直しでは、特に国の出先機関の事務を道州に移譲する一方、現行の都道府県の事務を大幅に市町村に移し、道州は広域事務に軸足を置くことを想定しました。
また答申案では、国の役割を外交、防衛、通商などに限定。国が道州へ移す主な権限として、国道の管理、一級河川の管理などを挙げています。
道州制が導入されれば、いまでも縁遠いといわれる都道府県が広域化することで、地方行政がますます遠い存在になってしまいます。
道州の区割例に関しては、全国を9、11、13に分割する三パターンを答申に盛り込むことを確認。
道州は選挙で選ばれた議会と長を持ち、長の多選は禁止するとしました。議員の選出方法は、選挙区方式のほか、比例代表制も考えられるとしました。
道州と国による協議の仕組みを設けるほか、税収の地域格差を是正するため、「適正な財政調整を行うための制度」を検討するとしました。
国、地方を問わず行政経費の削減目標を示す必要性も提言。「理念・プロセスを規定する推進法制の整備も考えられる」との指摘も盛り込んみます。28日の総会を経て小泉純一郎首相に提出します。
道州制とは
自治労連が第28次地方制度調査会の最終答申にあたっての見解を発表まる (自治労連HP)
道州制導入、27知事が賛成
明確な反対2人 本社アンケート 2006年3月5日付「朝日新聞」より
地方分権改革・道州制Q&A
(自治労連・地方自治問題研究機構HP)