「骨太の方針」第4弾と「三位一体の改革」

   
  小泉内閣が6月4日、閣議決定した「骨太の方針」第4弾(「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」)は、「三位一体の改革」につ いて、@地方交付税の「抑制」を継続A国庫補助負担金の削減とひきかえの税源移譲額を「三兆円」とするB今年秋までに「改革」の全体を明らかにする−などの方針を盛り込みました。

地方交付税 今年度に続き抑制

 「骨太の方針」第四弾は焦点となっていた地方交付税について、「地方の歳出を見直し、抑制する」としました。


 昨年の「骨太の方針」第三弾も、地方交付税について、「地方歳出の徹底した見直しによる交付税総額の抑制」をかかげていました。
 この方針のもとで編成された2004年度予算は、地方交付税と交付税の振り替えである臨時財政対策債とあわせて2・9兆円(2003年度比12%減)も削減。一 兆円を超す国庫補助負担金の削減とあわせて3・9兆円減らされました。結局、 地方への「税源移譲」は4千5百億円にすぎず、多くの自治体が財政的に苦境に 陥りました。

 今回の「骨太方針」は、地方の批判と抗議を意識したのか「地方団体の改革意欲をそがないよう、国の歳出の見直しと歩調を合わせて」などと述べています。
 しかし、昨年の「骨太方針」でも「国の歳出の徹底的な見直しと歩調を合わせて」 などとしており、基本的な方向に違いはありません。
 地方交付税は、全国どの自治体でも住民に福祉や教育など一定水準のサービスを保障するために、国が自治体の財源を保障する制度です。この仕組みが崩されることは、住民の暮らしにも深刻な影響を及ぼします。

3 兆円財源移譲 補助金削減が前提

 税源移譲については「概ね三兆円規模を目指す」としました。その方法として、2006年度までに「所得税から個人住民税への本格的な税源移譲」を実施するとしています。
 しかし3兆円の移譲は、地方自治体が「国庫補助負担金改革の具体案をとりまとめる」 ことが前提になっています。
 国庫補助負担金の7割は、生活保護など、国が責任を負う社会保障・教育関係の費用で す。国は2004年度予算で1兆円を削減し、1006年度までにさらに3兆円を削減する方針です。来年度は、交付税、国庫補助負担金の減額などで地方財政の切り捨てがこれまで以上に おこなわれる危険がでてきます。
 
 政府は、2006年度までの地方交付税や国庫補助負担金の異体的な削減対象など、「改革の全体像」を、今年秋までに明らかにし年内に決定する方針です。
 

   「三位一体の改革」