またも「合併」の枠組みに「ノー」の民意が示された。「投票率50%以上」という成立要件を設けて、19日行われた守口、門真両市での住民投票。
投票率50・64%の守口市は反対票が賛成票の七倍近くに上り、同38・58%の門真市では不成立となって開票が見送られた。
合併の是非をめぐる府内での住民投票は「反対多数」が続き、今回も「破談」の公算が大きい。合併を財政再建の切り札としてきた守口市の喜多洋三市長と門真市の東潤市長は、会見で苦渋の表情を見せた。
守口市の開票結果は、両市合併に「賛成」が七千五百六十五票に対して、「反対」は五万千八百七十八票だった。
開票終了後、両市長は守口市役所で記者会見。喜多市長は「意外な結果。財政状況や合併の必要性について、市民にわかりやすく伝えてきたつもりだが、結果的には時間も説明も足りなかった」と険しい表情をみせた。
隣の東市長も「投票率50%以上を目指し、通常の選挙より啓発に努めたつもりだが……。(門真の)民意がどこにあったかは言いようがないが、守口の結果から類推して議論されることになるだろう」と語った。
府内では八月、岸和田市と忠岡町や、泉州五市町の合併が住民投票の結果、白紙に戻っている。合併協議への影響について、両市長は「合併協議会に報告した上で議会と相談したい」と述べる一方、「予定通り進んでいくことは考えられない」と話した。
合併反対派はわいた。守口市竜田通の「住民投票を求める守口市民連絡会」の事務所。午後十時すぎ、反対多数の一報が入ると、待機していたメンバーらから歓声と拍手が上がり、抱き合って喜ぶ姿も。同会の山下圭一代表世話人は「市が『合併ありき』で、市民の意向を無視していたことが証明された」と力を込めた。
一方、同じ反対派の「合併反対に○をする門真連絡会」。「不成立」との結果に弘瀬和臣事務局長は「開票して欲しかったが……」と悔しそうに語った。
今回の住民投票をめぐっては、反対派が、宣伝カーを繰り出すなど反対運動を展開したが、賛成派に目立った動きがなく、市民の盛り上がりを欠いた。賛成派の市議の間からも、「合併を断念せざるを得ないのでは」との声が出ている。
○守口、門真市の合併 確定票
守口市 賛成 7,565
反対 51,878
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合併トピックス
守口、門真住民投票 合併は白紙に
2004年9月20日付新聞各紙報道
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■ 合併トピックス
守口、門真住民投票 合併は困難に
2004年9月20日付「産経新聞」より
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合併トピックス
守口 合併「ノー」 門真不成立
2004年9月20日付「大阪日日新聞」より
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