旬を行く おおさか野菜マンスリー

 門真れんこん@

  モチ.モチした独特の食感

   2006年11月8日付「朝日新聞」より

 
 レンコンは、明治時代の初期まで、商売人にはあまり歓迎されない野菜だったという。輪切りにすると現れる穴がその理由。「穴があく」。つまり、金銭上の損失が出るという意味にもとれるからだ。

 それが今でもは、「(穴から)先が見通せる」として、正月のおせち料理には欠かせない縁起物になっている。


 河内地域の伝統野菜として知られ、そのほとんどが門真市内で栽培されている。でんぷん質が多く、モチモチとした食感は、ほかの土地では引き出せないという。粘土質の土が、その食感を生み出す。


 海技ゼロメートル地帯の低湿地で、稲には不向きのため、代わりに栽培が広まった。江戸時代には、年貢をレンコンで納めていたという記録も残る。産地として名をはせたのは明治以降。しかし、細くて黒い見
栄えの悪さと、収穫量の不安定さが難点だった。このため、大正時代に石川県と岡山県で栽培されていて評判の良かった品種を導入。さらに改良が重ねられ、現在の「門真れんこん」につながっている。


 同市や栽培農家によると、市内での栽培は1950年代に最盛期を迎え、そのころ約200fの畑が広がっていたという。しかし、宅地化が進み、今では市内でわずか約5f。生産量が少ないため、市場にもあまり出回らず、店頭で見かけることはほとんどない。

 どうしたら手に入れることができるのか。11日にJA北河内門真中央支店(同市柳田町)で開かれる「r門真市農業まつり」で、即売コーナーが設けられる。一独特の食感を味わいたい人は一度、会場に足を学
んでみるのもいいかもしれしれない。

                            (日比真)

門真れんこんC 紅白の「蓮根餅」素朴な味 2006年11月29日付「朝日新聞」より


 

門真れんこんB イベントで特産品PR 2006年11月22日付「朝日新聞」より


門真れんこんA  粘土質の土 収穫は重労働    2006年11月15日付「朝日新聞」より