冬場が旬のレンコンは今、収穫の時期を迎えている。作業は10月ごろから翌春まで続くが、「門真れんこん」の場合、正月に合わせて年末までに出荷されるものが多い。
今年の出来はどうだろうか。レンコン農家の中西正憲さん(49)が、堀り当てた長さ1bほどの大物を見せてくれた。しかし、今年はこれほど立派に育ったものが少ないという。「全体的に小ぶりで、例年に比べて
量も少なめ。梅雨の時期の寒さが響いたのかも」
機械で収穫する産地もあるが、「門真れんこん」は、地中での深さが一定でないため、人の手が頼り。傷つけないように、折らないように手で1本ずつ掘り出す。
ぬかるんだ畑で足をとられながら、備中ぐわとすきを使って重たい粘土質の土を堀り返す。独特のモチモチした食感を生み出す土は、収穫の時だけは厄介者だ。「明治時代から、ずっとこの形で収穫してきた。本当に重労働だよ」。中西さんの額から、汗が噴き出していた。
4月に種レンコンを植え付けてから、収穫まで半年余り。この間、害虫や病気を防ぎ、夏になると、緑色の大きなハスの葉が畑一面に広がる。生産量が減ひ、産地といわれる門真市内でも、珍しくなった風景だ。
「門真の土でないと、良いレンコンはできない。自分の畑だけでも残していきたい」。ひいおじいさんの代から栽培を受け継ぐ中西さんは、そんな思いを強くしている。
門真レンコンを収穫する中西正憲さん=門真市下島町で
門真れんこんC 紅白の「蓮根餅」素朴な味 2006年11月29日付「朝日新聞」より
門真れんこんB イベントで特産品PR 2006年11月22日付「朝日新聞」より
門真れんこん@ モチ.モチした独特の食感 2006年11月8日付「朝日新聞」より