「うちは大丈夫?」公表データ分析
市民に広がる監視の目
  

   2007年6月16日付「朝日新聞」よりB

 
 「地下鉄は大赤字ね」 「下水道もひどいなあ」

 札幌市北区の飯原慶子 さん(67)ら10人の市民で 作る「さっぽろの『おサイフ』を知る会」は過1 回、市財政の勉強会を開 いている。

 市で公表されている過去20年分の決算状況をもらい、図書館で 決算統計などの資料も集め、数字を分折する。

 最初は一般会計を中心に見ていたが、下水道などの公営企業に毎年、一般会計から膨大な金額を繰り出していることを知 り、「特別会計や企業会計もチェックしなければ 本当の姿はあぶり出せないとわかったんです」。

 普通会計の収支は0・3%と黒字だが、連結ベ ースではマイナス0・8 %の赤字。06年度の借金残高は特別・企業会計分を合算すれば2兆1400億円にもなる。

 「ただ ただ驚きました。財政難の原因は何か、税金の使 われ方に問題はないか。 納税者の視点で分析した い」と飯原さん。

 会の立ち上げは昨年2月だが、9 月には分析結果を「白書」にまとめる予定だ。

 住民による財政白書づ くりを提唱してきた多摩住民自治研究所の大和田一紘副理事長のもとに は、夕張市の破綻以降、 講演依頼や初心者向けの財政分析講座受講の申し込みが全国から殺到している。

 「会計が連結され た総合的な財政の姿をネ ットで公表するようにな ったのは前進だ」と評価 する。

 その上で「市民が 本当のチェック機能を持 つためにも、自治体側は 赤字や借金の原因となっ た財政運営を学ぶ機会を 積極的に提供する時代に きている」と話す。(伊藤景子、浜田陽太郎)

 

  分権推進委も 健全化法議論

 政府の地方分権改革推進委員会(丹羽宇一郎委員長)は15日、北海遭夕張市の財政破綻について 関係者のヒアリングを実施。地方自治体財政健全化法も議論の対象になった。

 総務省の担当者は 「もっと早く気付けなかったか、という点で新法は四つの指標を報告し公表する」としたが、作家の猪瀬直樹委員は「新法が 無くても状況は分かったはずだ」。市のバブル期の投資や、それを見逃した道、国の責任を指摘した。

 

我が町の財政調べたい時は

 自治体の財政情報はインターネッ トで入手可能。総務省のホームペ
(http://www.soumu.go.jp/)

 左上部にある「政策・政策評価」をクリック。その中の「地方行財政」の項目にある「地方財政分析」に進み、「普通会計決算・財政分析」をクリックすると、「財政状況等一覧表」や「決算カード」などの項目が並ぶページにたどりつく。ここから各種類別に全自治体の財政データを閲覧できる。

財政健全化法を考える

 

164市町村 連結赤字 財政健全化法成立 新指標  2007年6月16日付「朝日新聞」より@

 

ノーモア「夕張」 財政健全化法成立 2007年6月16日付「朝日新聞」よりA

「門真市 連結赤字収支比率が 14.6% 26位」を考える