全国知事会議採択 3.2兆円の補助金削減

「三位一体の改革」 地方自治、暮らし どうなる

   
 
 全国知事会議は、
月19日、賛成多数という異例の形で三・二兆円の国庫補助負担金を削減する案を採択しました。深夜まで議論が紛糾し、自治体財政を支える補助負担金削減案を地方団体みずから打ち出しました。

 削減案をまとめる発端となったのは、小泉内閣による地方財政の「三位一体(さんみいったい)の改革」です。

 小泉「構造改革」路線のいわば地方版。(1)国庫補助負担金の廃止・縮減(2)地方交付税の縮小(3)地方への税源移譲――を一体的におこない、「地方分権」をすすめるかのようにいわれてきました。

 しかし、スタートとなった04年度予算では、地方への支出が3兆9千億円も削られる一方で、増えた税源は4千5百億円。地方交付税の大幅削減などで予算編成にも支障をきたす事態になり、「三位一体どころか三位バラバラ改悪だ」(梶原拓・全国知事会会長)という批判の声が上がるなど自治体・住民の批判の怒りが広がりました。

 「三位一体改革」は、地方へのいくらかの税源移譲と引き換えに、政府が出す補助負担金や地方交付税を大幅に削減しようというものでしたが、そのねらいが早くも露呈してしまったのです。

 地方の猛反発で「三位一体改革」がすすまない――財界団体の経済同友会は四月、「地方にも相当の歳出削減を求めるのは当然」としつつも現在の強引なやり方では「いたずらに地方の反発と混乱をまねく」として「全体像と工程表を示すことが不可欠」とする提言を出しました。

 これらを受ける形で出されたのが小泉内閣が6月に出した「骨太の方針2004」でした。2年の期限を区切って「税源移譲は概ね3兆円規模」と額を明示。「地方公共団体にたいして、国庫補助負担金改革の具体案をとりまとめるよう要請しこれを踏まえ検討する」と打ち出したのです。

 税源移譲の約束をちらつかせて、補助負担金の削減リストを作るよう求めたのです。

 作成期限は予算の概算要求が始まる前の8月20日とされ、これを受け入れたのが今回の削減案でした。

補助金削減は教育・福祉に多大な影響

 まとめられた削減案はどんなものなのか。

 国が教職員給与の半額を負担している「義務教育費国庫負担金」は、06年度までに中学校分8千5百億円を削減。09年度までに小学校分を含めて全廃します。

 「義務教育費国庫負担金」は、教育の機会均等を保障し、全国的な教育水準を確保するために国が財源保障に責任を負う制度です。これを廃止すれば、自治体の多くが財政難に直面しているもとでは教育予算が削られ、教育水準の低下や自治体間格差が危ぐされます。

 税源移譲しても自治体間の税収格差は避けられず、文部科学省の試算では40道府県が減収になってしまいます。不足財源を補うはずの地方交付税も小泉内閣の「三位一体改革」では「財源保障機能を縮小していく」としており、財源が確保される保障はありません。

 ほかにも私立保育所運営費が大半を占める「児童保護費等補助負担金」(4千6百億円)や、「私学助成」(私立高校経常費助成金、9百97億円)が含まれており、保育料や授業料などの高騰が危ぐされます。

 そもそも国庫補助負担金は、国民の権利を保障し、行政サービスに国が財政的に責任をもつために設けられたものです。福祉や教育など長い期間をかけて国民と自治体の要求で制度化されたものも少なくありません。

 公共事業のムダな補助金などの改革は当然ですが、だからといって補助金そのものを否定したり大幅削減してしまえば、住民生活を支える重要な制度の財源保障がなくなり、後退や切り捨てにつながりかねません。

 しかも、補助金と一口にいっても多くは暮らしや福祉にかかわる国の負担金や補助金が多数を占めています。


   「三位一体の改革」

  「骨太の方針第4弾」


 自治労連の提言 「三位一体改革」への対案

 

  「平成の自由民権運動だ!」 財政危機突破で地方6団体が集会

    

   門真市議会意見書