門真社保協ニュース
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門真社保協ニュース No.12 発行日 2003年10月20日


新しい医療受給者証の発行おくれる 

特定疾患医療支援事業


◇新たに自己負担額の発生や拡大

 既に「門真社保協ニュース」No.8でお伝えしましたように、10月1日から難病患者に実施している「特定疾患治療研究事業」の制度がかわりました。しかし、行政の対応の遅れにより10月1日を過ぎても新しい医療受給者証が届かないという事態が発生し、患者さんの間でも混乱が起こっているようです。今回は制度変更のポイントとともに、10月中に新しい医療証をお持ちでない方が、医療機関を受診する場合の留意点を記してみたいと思います。新しい医療証が届きましたら、次回受診時からその証を必ず持参ください(表T)

改正の特徴

 @新たに大脳皮質基底核変性症、線条体黒質変性症、特発性肥大型心筋症(拡張相)の3疾病を追加(表V)、A医療費の自己負担限度額が一律定額から所得額による段階区分に、B所得区分の算定対象者として「生計中心者」を設定、C所得区分導入による認定申請・更新の手続きの煩雑化―が挙げられます(表U)。 9月末までは、入院・外来とも所得に関係なく自己負担限度額が決まっています(入院1万4000円、外来1回1000円で月2回)。

 これを10月からは難病認定患者を所得により区分A(生計中心者の市町村民税が非課税)からG(生計中心者の前年の所得税課税年額が14万1円以上)までの7段階に分けて、自己負担限度額を決定します。

 スモンやプリオン病、劇症肝炎、重症急性膵炎などの重症患者は従来通り負担がありません。新たに区分Aにあたる患者は負担が無くなります。しかし、「生計中心者」が本人以外のケースで考えると、外来では区分B(生計中心者の前年の所得が非課税)より所得が高い区分に該当する場合、入院では区分Fより所得が高い区分に当てはまる場合に、現在より患者負担が増えます。つまり、大半の難病認定患者が自己負担増を強いる制度改悪と言えます。    所得額確定の算定対象者である「生計中心者」は、「患者の生計を主として維持する者」(厚労省)と規定しているため、必ずしも患者本人とは限りません。しかし、「生計中心者」が本人になると各区分とも負担額が半額になるなど、誰が「生計中心者」と認められるのか、患者にとって大きな問題となります。

 大阪府は「厚労省が示しているように健康保険や税上の扶養者、生活実態等を勘案し、決定している」とあいまいな回答に終始しています。 さらに所得区分の導入により、新制度では、所得関連の書類や治療状況を調査する「臨床調査個人票」の提出も新たに必要となり、申請期間の延長や提出書類の省略など、患者の立場にたった対応を行政に求めていく必要があり、既に保険医協会は9月25日に要請を行っています。

         (大阪府保険医協会事務局 吉見賢治)



 

 

 


*紙面に対するお問い合わせは 吉見(保険医協会、06-6568-7721)まで




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