税源移譲を考える

   
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 税源移譲は、これまで国に納めている税金の一部を地方に移すことです。 国に入る所得税と住民税(地方税)の税率を変えることで、国の税収が減り、地方の税収が増えると言われています。これでおよそ三兆円の税源が、国から地方へ移されると言われています。


 具体的には、これまで所得に応じて10、20、30、 37%となっていた所得税率を2007年(1月)分から5、10、20、23、33、40%に変更。
現行同じく5、10、13%となっている住民税率を2007年度分(6月)から一 律10%に変更します。


 
「税源移譲によって、国か ら地方へ税源が移って、地方の自由度が増す財源が確保され、地方はよりよい行政サービスができるようになる」と政府はメリットを強調しますが、はたしてそうでしょうか。

 税源移譲は、国と地方の税・財政関係を奪える 「三位一体改革」の柱とされます。
 「三位一体改革」の柱は、国庫補助負担金の削減・廃止と税源移譲、地方交付税の削減の三つです。


 
「三位一体改革」は 、「国から地方へ」をうたい文句に、「構造改革」の一環として、国から地方への財政支出を削り、自治体と住民サービスを切り捨てるものとなっています。


 総務省によると、2004年からの三年間で、国庫補助負担金は約四・
七兆円、地方交付税は五・一兆円それぞれ削減されました。税源移譲分(三兆円)があるとはいえ、差し引き地方には六 ・八兆円のマイナスとな ります。


 国庫補助負担金は、福祉や教育の分野が約八割占めており、その減額は国の責任放棄にもつながります。

 また、地方交付税の削減は、地方自治体の財政に大きな打撃を与えました。とくに、2004年度の二兆九千億円、12%もの削減は、戦後初めての異例の事態でした。

  三兆円ではなく二兆円の税源移譲


 見逃せないのは、今回の税源移譲で地方交付税が減少することです。 所得税として国に入った税収の32%は地方交付税として地方に配分 ることになっています。 三兆円の所得税が地方に移譲されることによって、地方交付税の対象税目が減り、 交付税はその32%、約1兆円が減ることになります。三兆円の税源移譲といっても実体は二兆円ということになります。この地方交付税の減額については補てんすると いう約束はありません。


 地方交付税制度は根本的には、国民の権利とくらしを守るための仕事を、全国のどこでも、財政的な力の弱い自治体でも行えるようにするための国の財政制度であり、 国の本来の責任に属するものです。


「区切りの「三位一体改革」   国支出9兆8000億円削減 地方自治体や住民生活負担増

 

三位一体改革の「地方案」と「全体像」 2005年1月7日付「自治日報」より

 

「交付税 今年度以上の額を確保すべき」   地方6団 体 が申し入れ 12月7日

補助金2兆8千億円削減 政府・与党 「三位一体の改革」の「全体像」を決定 2004年11月26日

 

補助金3兆円削減 政府・与党 「三位一体の改革」の「基本的枠組み」を決定 2004年11月18日



全国知事会会長 「地方軽視、地方無視ともいうべき姿勢に対しては、『地方一揆』の実行を」  地方6団体が1万人集会 2004年11月17日

 ●当面する地方税財政改革に対する自治労連の提言
 政府の進める「三位一体改革」への対案

 

 ●「骨太の方針第4弾」

 

 ● 「平成の自由民権運動だ!」 財政危機突破で地方6団体が集会

    

 ● 門真市議会において「地方分権の確立するための真の三位一体改革の実現を求める意見書」が全会一致で採択 

 全国知事会議採択 3.2兆円の補助金削減
「三位一体の改革」 地方自治、暮らし どうなる